陽子と中性子の磁気能率
非相対論的クォーク模型による陽子と中性子の磁気能率計算をアップしました。これは大学院の講義ノートの一部を抜粋したものです。この場合、クォークの波動関数は SU(6) 模型により計算されたものを使っています。昔は フレーバーSU(3)模型が良く議論され、実際、ある種の実験事実をうまく再現出来ていました。今の場合は、スピンが入るため SU(6) となっています。この波動関数の求め方は群の表現論を使いこなす必要があり、これはかなり難しく、また面倒な計算を行う必要があります。
SU(6) クォーク模型による陽子と中性子の磁気能率
クォークのカラー電荷がゲージ依存となっていて、クォークのカラーカレントが保存していません。このめ、クォークは観測量ではなく、閉じ込めとなっています。しかしクォークは電磁的な電荷を持っています。例えば、u-クォークは (2/3)e の電荷を持っています。そしてクォークの電磁的なカレントは保存量となっていて、この電磁的なプローブにより陽子や中性子の磁気能率が測定され、また計算できています。このため、クォーク模型が信頼されて一般的に受け入れられている大きな理由となっています。
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