相対性理論の解説 : 2023年2月 (書き加え在り 2024年3月)
この解説ノートは『力学の上達法』の第14章を抜粋したものです。これまで書いた相対性理論の解説よりも、かなりコンパクトでしかもわかり易く書けたと自分でも思っているため、抜粋したものです。より多くの若者がこの小ノートにより、相対性理論における正確でしかし重要な基礎理論について学んで欲しいと思っています。
特にどの慣性系でも時間が遅れることはないと言う証明は極めて簡単な事でした。ここにその抜粋を書いて置きます。
『実際は,運動系の時間刻み Δτ が静止系の時間刻み Δt (例えば1秒) と同じである事は簡単に証明できる事である.それは時間刻み Δτ にしてもミューオンの寿命にしてもこれらは定数である.実際,1秒は地球公転周期 T から決められている.従って,これら定数は Lorentz スカラーであり Lorentz 変換の影響を受ける事はない.つまり運動系の Δτ は静止系の Δt と全く同じである事が分かる.さらに蛇足となるが,地球公転周期 T は運動方程式の解から求められている.そして運動方程式はどの慣性系でも同じである.よって 周期 T はどの系で観測しても同じであり,従って時間刻み Δt が系によって変わる事はない.』
『Symmetry and Conservation Law』を付け加えています。これは教科書『Symmetry and Its Breaking in Quantum Field Theory (Nova Science Publishers, 2011 年)』 (教科書) から第2章を抜粋したものです。場に対する Lorentz 変換は決して易しいものではないので、この章が少しでも参考になればと思っています。
さらに、一般相対論関連の小ノートも付け加えています。これは『一般相対論が数学的には
特に間違っていると言うわけではないが、しかし物理的には無意味な理論である』と言う事を
厳密に証明したものです。一般相対論は相対性理論と直接、関係している理論ではありませんが、
これにより相対性理論関連の物理をより深く理解できるものと思っています。
( fffujita@gmail.com )