相対性理論の解説 : 2023年2月 (書き加え在り 2025年2月)
この解説ノートは『力学の上達法』の第14章を抜粋したものです。これまで書いた相対性理論の解説よりも、かなりコンパクトでしかもわかり易く書けたと自分でも思っているため、抜粋したものです。より多くの若者がこの小ノートにより、相対性理論における正確でしかし重要な基礎理論について学んで欲しいと思っています。
特にどの慣性系でも時間が遅れることはないと言う証明は極めて簡単な事でした。ここにその抜粋を書いて置きます。
『実際は,運動系の時間刻み Δτ が静止系の時間刻み Δt (例えば1秒) と同じである事は簡単に証明できる事である.それは時間刻み Δτ にしてもミューオンの寿命にしてもこれらは定数である.実際,1秒は地球公転周期 T から決められている.従って,これら定数は Lorentz スカラーであり Lorentz 変換の影響を受ける事はない.つまり運動系の Δτ は静止系の Δt と全く同じである事が分かる.さらに蛇足となるが,地球公転周期 T は運動方程式の解から求められている.そして運動方程式はどの慣性系でも同じである.よって 周期 T はどの系で観測しても同じであり,従って時間刻み Δt が系によって変わる事はない.』
さらに、一般相対性理論関連の小ノートも付け加えています。これは『一般相対性理論が数学的には特に間違っていると言うわけではないが、しかし物理的には無意味な理論である』と言う事を厳密に証明したものです。一般相対性理論は相対性理論と直接、関係している理論ではないのですが、これにより相対性理論関連の物理をより深く理解できるものと考えています。
また『力学の相対論効果』についての解説も加筆しています。この効果は『うるう秒』と関係している物理量ですが、これは力学における相対論的な効果の一つとして学ぶ必要がある問題である事は間違いない事です。
最後に、一般相対性理論関連で『水星近日点への惑星効果』についても解説しています。これはかなり大変な計算ですが、物理を学ぶには良い例題であると考えています。
fffujita@gmail.com