散乱理論の初歩 : 2023年2月 [書き直し(2025.9)]
この解説ノートは『力学の上達法』から散乱理論に関する章を一部抜粋したものです。散乱理論をきちんと理解する事は非常に難しいものですが、ここではなるべく直感的に易しく理解できるように、散乱理論の基礎について解説したものです。近年、散乱理論を学ぶ若者が少なくなっているように見受けられます。しかし理論・実験共に散乱理論を理解する事はかなり重要である事は間違いありません。物理をより深く理解しようとする上で、少しでもこの小ノートが役立ってくれる事を願っています。付録として高エネルギーにおける He 破砕反応の論文を付け足しています。
散乱理論の初歩 PDF
[付記] 散乱理論の基礎的な部分を整理して書き直しています。これまでは Born 近似の場合の具体的な計算は載せていませんでしたが、今回、クーロンポテンシャル V(r)=α/r の場合の Rutherford 散乱断面積について、具体的な計算過程を解説しています。特に、infra のカットオフに関しては、計算技術としてかなり useful なので参考にして欲しいと思っています。
この小ノートの第4章、第5章に光と原子の散乱断面積について、解説を付け加えています。これは具体的に散乱断面積を求めると言う計算過程に慣れて置くことが重要であると考えているからです。しかしこの計算は専門家に取ってもかなり難しいものであることは間違いない事です。
fffujita@gmail.com