卒業生の皆様へ : 全豪オープン 日本人選手の活躍 (2025年)
今年の全豪オープンでは6名の日本人選手が出場して4名 (錦織選手、西岡選手、大坂選手そして内島選手) が2回戦に進出しました。さらに、大坂選手は3回戦に進みましたが、残念ながらケガで棄権して4回戦には進めませんでした。
また、10名を超える日本人の若手選手が全豪オープン予選に出場しましたが、しかし4大大会で予選を3回勝ち抜く事は非常に難しいと言う結果になりました。まずは『積み重なる努力』を続ける事により技術力をアップして、テニスの実力をつける事が重要であろうと思います。そして4大大会に出場するためには下部の大会でしっかり結果を残してランキングを100位以内に持って行く事が大切であろうと感じました。
いずれにしてもプロのテニスにおいては、例えばトップ20とトップ100の差はほんのわずかであると言われていますが、実際、その通りであろうと思っています。今回、ドイツ人の Lys 選手は予選決勝で負けながらも本戦入りしたラッキールーザーでしたが、4回戦まで進出しましたね。勿論、ドローにも恵まれたものと思いますが、それにしてもこれは選手間の実力差がわずかである事を示しています。恐らくはメンタルな部分もかなり大きな要素になっているものと考えられます。試合でメンタルに強くなるための一つの方法はテニスの理論をしっかり理解する事であろうと思っています [ テニスの上達法] 参照。
ここでは錦織選手と大坂選手のテニス技術の進展について簡単にコメントしようと思います。日本のテニス界を牽引してきたお二人が予想以上に技術的に進歩している事にかなり驚いています。今後、新しい進歩を続けて行かれる事と思いますが、さらなる成長を期待しています。
今回、錦織選手のサーブが格段に良くなり、これには驚きましたね。これはかなり凄い事だと思っています。特に、サーブトスの高さもその上げた位置も合理的であり、このためボールの質が向上しています。このサーブならばトップレベルにも十分通用するものと感じました。あとはさらにコントロールを磨く事でしょうか。そうすれば、サーブのキープ率が相当、高くなるものと期待できますね。
バックハンドは切れ味がかなり戻ってきていると思います。あとはバックハンドのスライスをもう少し強化する必要があるものと思われます。フォアハンドに関しては、まだ良いボールと普通のボールが混在しているように見受けられます。しかし錦織選手の場合、比較的感覚を重要視して打つタイプのようなので、フォアハンドの基礎技術に関してコメントするのは難しいものですね。ただ、フォアハンドをライジングで打った場合に、そのボールの威力が以前よりは格段に増している事は確かだと思います。
それと、強いトップスピンを掛けた山なりのボールを習得して、これをベースライン付近にうまく打ち込むと言う選択肢を考えると面白いかも知れないと感じました。これはかなり高い技術が必要だと思いますが、このボールの有効生は疑いないものと思われます。
錦織選手の問題点はやはり体力でしょうか?しかしこればかりはここでコメントをしても意味がありませんね。体力的にもさらに強くなることを期待したいと思います。
大坂選手は技術的な観点から見て、驚くほど着実に進歩していますね。特にバックハンドはかなり安定性が増したものと見受けられます。これは彼女の身体能力の高さとも関係しているように思われます。優れた身体能力をうまく使っているためか、ダブルハンドで打たれたボールの回転量もかなり改良されていると思います。あとはバックハンドのスライスをマスターする事だと思います。それも大坂選手ならば割合、簡単に習得してしまうのかも知れませんね。
フォアハンドに関しては、まだ安定性があるとは言えないものと思われます。しかしベースライン際の深いボールを返球するとき、うまくブロックして(壁を作って)しかもかなり強いボールを打てていました。これは重要な進歩だと思います。しかしフォアハンド全体としてはボールを引き付けてうまく打てているとは言えなく、今後の成長を期待したいと思います。
サーブに関しては、評価が難しいですね。スライスサーブをよく使い始めていますが、これはあまり頻繁には使わない方が良いかと思われます。スライスサーブはデュースサイドからうまく打つと外側に切れて行くため、ポイントが取れる可能性が高いと考えられます。しかしこのサーブ自体の威力は特にあると言うわけではないし、また力の伝わり方がそう単純ではないので、かなり難しさがあると思われます。すなわち、スライスサーブの場合、そのコースを予測された場合、リターンエースを取られる可能性が高いものです。
大坂選手のサーブは女子選手の中でも非常に高いレベルである事は間違いないものです。しかしトスの上げ方がまだ上手とは言えなく、またトスの高さとその位置には相当、改良の余地があります。今回見る限りにおいては、やはりスライスサーブを打つためのせいなのか、そのトスを少し前側に上げ過ぎる傾向があると感じました。少なくとも、セカンドサーブに関しては、トスをもっと自分の頭よりも後ろ側に上げないと、うまくスピンの掛かったサーブを打つ事は難しいと思います。しかしこの辺の所は、本人がどう考えるかにも依っているものと思われます。
いずれにしても大坂選手が健康な体で試合に出る事ができれば、トーナメントの優勝も現実味を帯びてきました。特に今後、バックハンドのスライスが強化されれば、今のサーブ力においても Wimbledon で勝つ可能性が出てきましたね。しかし、いつも言っている事ですが、レベルが高くなればなるほど常に新しい技術を習得して進歩して行く事が重要な条件となっています。
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