☆ 岡目八目 : 日本学術会議は必要か? (2020年10月始め)
この秋、日本学術会議と内閣府が言い争いをしています。学術会議が推薦した人事案の一部を内閣府が拒否したことから論争が発展したと言う事のようです。これを見る限り、両者の見識も地に落ちたものですね。若者の大学院進学率が先進国で唯一日本だけが低下し続けていると言う事実を認識していたら、そのようなばかげた喧嘩などをしている場合ではない事ぐらいわかりそうなものです。何とかしないと近い将来、日本の技術力が大幅に低下するかも知れないと言う危機に直面しているのに、暢気としか言いようがありません。さらに若手研究者が明らかに減少を続けていると言う現実に対して、これをどう見ているのでしょうか?結局、政治的な学者も政治家も将来を担うべき若手研究者が数年後には半減してしまう可能性があるのに、彼らに取ってこれは『他人事』なのでしょうね。
日本学術会議は昭和24年に創設されたので、すでに長い年月が経っています。この間、どのような役割を果たしてきたのか、自分にはよく分かりません。しかし上述したように、若手を育てられていない状況や、地方大学が現在のような困難に陥ってしまっても平然としている事実を見る限り、少なくとも近年においては学術会議は全く、機能していなかったものと推察されます。
学術会議に選出された学者がどのような人達なのか自分にはわかりません。しかし研究をしっかりやってきた研究者がそのような政治的な会議のメンバーになろうとすることは考えられません。その場合、それではどのような研究者がその学術会議のメンバーになっているのでしょうか?自分は長い間、研究を続けてきましたが、この件に関しては全く、わかりません。それに優れた研究者が高い見識を持っているとは限らないし、政府に対して何らかの提言を行うと言うような能力は研究とは無関係であろうと思われます。それに政治家が学者の意見をきちんと聞くとは考えられない事ですね。一般的に言って、政治家の大半は無用に強い自尊心を持っています。その意味で、学者がやらなくてはならない事は若者をしっかり教育して教養のある優れた人材(政治家も含めて)を育てる事です。普通の学者のセンスからしたら、学術会議は無用の長物であろうと考えられます。
しかし上記のコメントは『政治音痴の戯言』として片づけられそうですね。実際、そうかも知れないし・・・。
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