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卒業生の皆様へ　:　巨大科学の終焉？　(２０１５年１２月)

この半世紀の間、CERN(欧州原子核研究機構)は巨大科学の盟主に君臨してきました。しかしながらここ数年間、重要な実験が次々と失敗に終わり、CERNはその権威と信用を完全に失墜しています。まず、ニュートリノが光速を超えたという信じられない実験結果をメディアの前で発表してしまいました。発表する方も科学者として最悪でしたが、それを特集にまで組んで放送したメディア(科学担当者)も救いがたい程に軽率でした。発表したCERNの研究者達はその信用を完全に失いましたが、メディアの方は「あのニュートリノ実験は接続ミスが原因であった」と言う簡単な事実関係を報道しただけでした。
また「Higgs粒子の存在は９５％以上なくなった」というCERNの実験データが２０１１年秋の物理学会で報告されました。しかし、それにもかかわらず、それから１０ヵ月後には、突然、Higgs粒子の存在を示すデータが「One Event (１事象)」見つかったとメディアを使って宣伝しました。ところが、このデータがおよそ信頼出来るものではない事が発覚して、専門家の間で問題になりました。しかしそれから今まで(約３年間)、Higgs粒子関連のニュースが全く消えてしまいました。いずれCERNは「Higgs粒子の存在を示す証拠は発見できなかった」と発表するものと思います。実際、標準理論として知られている Weinberg-Salam 模型は非可換ゲージ理論であり、これは「厳密に解いたらその構成粒子(ウィークボソン)は観測量ではない」事が証明されています。彼等はそれを「Higgs機構という近似をしたらうまく観測量になってくれた」と主張しているわけですが、これは誰が見ても科学の論理ではありません。
さらに、CERNではありませんが、欧州宇宙機関が昨年の３月に「重力波の痕跡」をとらえて、宇宙初期の重力波を観測したと記者発表しました。ところがこの話も、先日「これは間違いであった」と訂正の発表をしています。「宇宙背景輻射における重力波の影響」だと考えた観測事実はただ単に「銀河のちりの影響」である事が証明され、重力波の痕跡とは無関係だったのです。しかし最初に発表した人達はこの程度の検証さえもしていないでマスコミに発表したのかとこれは驚きを超えてあきれるばかりです。これはニュートリノ実験の接続ミスと同じで科学以前の問題であり、お金(予算)を取るためのアドバルーンであろうと最初から推察されていましたが、恐らくは、その通りであったものと思われます。
このような状況下において、今後、巨大科学はどうすれば良いのかと言う事が深刻な問題になっています。これは大変難しい問題ですが、しかし答えは明快です。現在までに、物質の最小単位であるクォーク・グルオンの探索実験は無意味である事が理論的に証明されています。従って、１GeV以上のエネルギーを持つ加速器の物理が科学的に意味があるとは考えられないと言う事です。さらにこれまで人々が空想を欲しいままにしてきた「一般相対論」が理論・実験の両面から完全に否定されています。これはある意味で巨大科学の終焉を意味しています。科学研究はもともと地味なものであり、その基本的な姿勢にそろそろ戻るべきであるという事だと思われます。さらには科学研究に限らずどの研究においても、研究機関はその体制の新陳代謝《役目を終えた研究所を閉鎖して新しい研究機関を作る》を常に行ってゆく必要があります。非常に難しい問題ですがその新陳代謝を実行して初めて研究上の進展が期待できるものです。
その物理学の基礎的な理論は「量子場の理論」ですが、この解説をしている最近の場の理論の教科書が深刻な問題を惹き起こしています。現在、人気教科書となっている何冊かの本(Quantum Field Theory)はその本の内容の３分の１は正しくないため、それらの本を読んで若い人達が勉強するとそのまま誤った場の理論を学んでしまう事になっています。これは早い段階で何とかしないと大きな損失になってしまいます。しかしながら読者がどの本を選ぶかは自由であり、これは著者達が本の改訂をしない限りどうにもしようがない事でもあります。
卒業生諸君の中には、自分の子供達から進路の相談を受ける事が少なからずあるかと思います。その時、物理に興味を持っている若者達はこれからどのような勉強を基礎として行うのがベストかと言う質問が寄せられています。今後、物理学の主力は「量子生物」になって行くものと考えられます。その場合、その基礎として物理を先に勉強するべきなのか、それとも生物を主力で学んだ方が良いのかと言う問題です。これに対する現在の私の考えは「どれを勉強してもそれ程の差はない」と言うものです。むしろ、小・中・高校生は勿論、大学生になってからでも常に「単純な計算力の向上」や「漢字、英単語、歴史などの丸暗記」により頭の基礎体力をつけておく事が最も大切であると思っています。その基礎があって、自分で考える力を磨いて行けば、いつでも仕事は十分できるものです。
その仕事をする上で大切な事が一つあります。それは、研究所で基礎研究するにしても、企業で開発研究する場合でも、そこの分野で「しっかり自転車に乗れている事」です。自転車の乗り方をいくら詳しく覚えたとしても《i.e 研究関係の知識をいくら増やしても》、自転車に乗れないと《i.e 実際に自分の手と頭で研究できないと》良い仕事は出来ません。日本には現在でも「職人気質」を敬う心がありますが、これが「何かを成し遂げる」ための精神的な支柱になっています。どの分野にせよ、職人的にしっかり技術を修得して、楽しく仕事をして行く事が最も重要な事です。真に価値のある仕事が出来るかどうかは、結局、「運」に依りますが、しかしだからこそ地味に努力を続ける事が非常に大切です。そしてその努力を継続して、それが何であれ、ほんの少しでも進歩する事が実は最大の喜びであり、楽しさの本質であると考えています。

[付記1]　：　　２０１４年１２月半ばに夏の「暑気払いの会」に続いて「議論の会」を新小岩で行い数名の若者が集まりました。彼等は皆、物理をよく考えている研究者の卵であり、将来、必ずや科学における指導的な立場になる、才能豊かな若者達です。赤ワインを飲みながら、そしてとろろ芋汁《熱い味噌汁にすりおろしたとろろ芋を入れてかき混ぜ、それをご飯にぶっ掛けたもの》を食べながらの議論は尽きることなく、次々と質問やら新しい考え方などを議論しました。この議論の中で、光とは何かと言う問題が最も難しくまた重要な話題でした。この「光を量子論的に正確に理解する」という作業に関しては若手全員がまだまださらに勉強してしっかり考えなければならない余地を残していると感じました。
今後、光と生物の相互作用の問題が必ず大きなテーマになって行きます。この時、光をきちんと取り扱う事ができるためには、どうしてもベクトルポテンシャル場の量子化をしっかり理解する事が重要です。ベクトルポテンシャルは実数場なのに、電磁波を記述していると言う事実があります。この場合、何故、実数場が自由フォトンである複素数の状態関数を記述できるのかと言う問題を深く理解する事が大切です。

[付記2]　：　　２０１５年３月末に学生・院生からの要望もあり数名の若者達が新小岩に集まり一緒に議論しました。彼等は物理を深く考え、またよく理解している人達です。そのうちの最年長のA君は「何年に一人」というくらい物理の理論が良くわかっている学生ですが、そのA君の４年次GPAは 2.2 と言う事でした。B君も良く出来る学生で物理を自分の言葉で確実に理解していますが、彼のGPAは 3.6 と言う事でした。その話を聞いていた最も若いC君は「成績と実力は無関係」と言う事実に仰天していましたが、これは目の前に当事者達がいるため受け入れざるを得ません。
５時間半程議論した後、C君(GPA 3.8 )は、彼と先輩達との間に２年間程で予想以上に物理の実力差がついている事に少し不安を感じているようでした。しかし「方向を誤らないで努力を続ける事」が出来れば必ずこの人達のレベルに追いつく事は出来ると私は彼を励ましました。尤も「方向を正しく導く事」こそが実は一番難しいものですが、それが出来る指導者は今や「絶滅危惧種」であり、それはそれで難しい問題となっています。しかしその前に、まずは物理をきちんと理解している教員がそこに一人でもいる事が先決問題ですが・・・・・・・？

[付記3]　：　　２０１５年８月始めに卒業生・院生８名が新小岩に集まり「暑気払いの議論会」を行いました。皆、よく考えていて、自分の意見をしっかりと言える人達であり、議論が尽きることはありませんでした。日本酒とワインを飲みながら、今回は特に「チョムスキーの言語学」と「CO2は地球温暖化に影響するか？」という問題を主に議論しました。まず、チョムスキーの提唱する「文法は正しいが無意味な例文」として、「Colorless green ideas sleep furiously」を取り上げました。文法は正しくても、文章としては無意味という文例です。このことは物理学にもあてはまり、数学(文法)は正しくても物理的に(文章として)は無意味な論文について議論しました。例えば、一般相対論や自発的対称性の破れなどがその典型的な例です。尤も、現実にはこれらが物理学会をこれまで支配してきました。これらの模型が人々に受け入れられた主な理由は、この論文の主唱者達が「独創性」を必要以上に強く主張してきたことにあります。確かにこれらの論文は大変に斬新ではありますが、しかしながら自然界との接点はなく、科学にはなっていませんでした。文法(数学)は正しくても文章(物理)は無意味になっている典型的な例となっています。
次に「CO2は地球温暖化の一因になっているか？」という問題を議論しました。化石燃料や原子力発電が温暖化に寄与することは勿論、理解できることです。しかし２酸化炭素が温暖化に影響するという主張はあまりよく理解できません。地球の外は真空であるため、地球はその熱エネルギーを放射冷却によってのみ失っています。この場合、電磁波が大気と散乱してその方向を変えて放射冷却を防ぐと言う物理機構は勿論、重要であり、これが地上の温度をある程度一定に保つ大きな要素であると考えられます。しかしながら、これは地球温暖化の問題とは直接的な関係はありません。それ以外に放射冷却を妨げる機構として、電磁波の吸収によるものが考えられます。例えばCO2 があったとして、それがフォトンを吸収して、さらにそのエネルギーを分子運動に換えるという機構です。しかしこれは計算してみるとわかりますが、少なくとも CO2 において特にこの現象が顕著であるという物理的な理由はありません。フォトンを吸収することにより遮蔽できる最も重要な物質は水蒸気です。電子レンジにおける水による電磁波の吸収機構は水分子の吸収線とは関係はありません。これと同じで、CO2 にフォトンの吸収線があってもそれが放射冷却を防ぐ一因と結びつ可能性は電子レンジによる水の温め機構よりもさらに可能性は低いものです。いずれにしても、この辺の物理はもう少しきちんと検証しない限り「CO2による地球温暖化」を強く主張することは到底できることではありません。これは電磁波と分子多体系を含む多重散乱の計算を相当に注意深く実行する必要がある事を示しています。
午後４時から始めた議論はどこまでも続きそうであり、さすがに夜の１０時になった段階で終了としました。自分の頭で考え、自分の意見をしっかり伝えられる人達が少なくなっている現在、その意味ではこの若者達との「激しい議論」はある意味で、ほっとするひと時でもありました。

[付記4]　：　　２０１５年１２月半ばに２人の院生と新小岩で議論会を行いました。これは議論というよりも共同研究なのですが、場の理論における繰り込み理論の最終チェックというところです。このような研究を遂行することは、若手研究者にとっては非常に重要です。それは場の理論がすべての基礎になっているため、その基本的な計算に慣れておくと、その後の応用には大変大きなプラスになるからです。特に今後、量子生物を電子の言葉で理解するための定式化を行う事が必要になってきますが、このためには場の理論の具体的な計算技術が非常に役に立つものです。この議論会に途中からJamesが加わりました。彼は非常に優秀なカナダ人の化学者ですが、その研究はむしろ量子力学の数値計算に関するものです。従って彼は、今後、化学の立場から量子生物に入って行くものと思います。
この議論の途中で、STAP 細胞の問題に議論が飛びました。この問題で最も深刻な問題点は「記者会見をした事にある」と言う点で皆の意見が一致しました。ところが、この記者会見は雑誌Natureからの要請であると言う事をJamesが主張しました。私は理研がその宣伝のために行ったとばかり思っていましたが。しかし残念ながらその真偽を確かめることはできてはいません。しかし、いずれにしても、雑誌Nature側に全く責任がなかったかと言うとそうとも言い切れず、かなり難しい問題がまだそこにある気がしています。近年、Natureが科学の専門雑誌というよりも、サイエンスを扱う「大衆週刊誌」に近い状態になってしまったとよく言われていますが、この事とも関連があると思います。Natureには長い歴史があるためその既得権により、科学の最も重要な専門誌として君臨しています。しかしだからこそ、科学の専門誌としての論文のレベルの高さをしっかりとキープする責任があります。従って、Natureの編集者は「科学の研究は地味なものである」と言う事実をもう一度見直して行く必要があります。但し、優れた編集者は今や「絶滅危惧種」でもあり、これはどの専門誌(例えば Physical Review の近年の編集者レベルは最低ランク)にも当てはまる事です。実際、優れた編集者を見つける(または育てる)ことは極めて難しいことでもあり、科学の進展にとっても難問となっています。
一方、STAP 細胞関連でさらに問題なのは、若手研究者の博士号取り消しです。事実として、STAP 細胞の論文はNatureに通っているわけであり、その段階でさえも、レビューしたNatureの査読者と編集者は論文の間違いを指摘できなかったのです。従って、その元の論文である博士論文の取り消しなどと言う事は考えられないことであり、ほとんど暴挙とさえいえる事です。この取り消しを実行した大学関係者は、それだけでも、彼ら自身の信用を完全に失ったことになっています。サイエンスの研究では「間違いを完全になくすこと」はもともと不可能です。大切な事は、その間違いに気が付いたら、それを修正することです。そして、サイエンスの研究が自然を理解する事を第一の目的にしている限り、「新しい発見とその発見の検証と修正」を繰り返すことによって自然の理解が深まることになっています。博士論文を取り消した事は、その人達が如何にサイエンスの本質を理解していないかを内外に示してしまった事になっています。もう一度、その博士号取り消しを初期化することしか、大学関係者の信頼回復はありません。
●　(追記)　：　　最近(２０１６年２月)、このSTAP 細胞についての興味深い解説記事が Business Journal (筆：大宅氏) に掲載されました。これは非常にわかり易く、また良く書かれていて楽しく読ませてくれる記事です。これより雑誌の科学担当者にもまともな人がいることがわかり、少し安堵感を覚えています。最近の物理関係においては、大半の記事があまりにもレベルが低すぎて、物事の本質を捉えられる科学担当者が「絶滅危惧種」になっていることを痛感し、危惧していました。しかし、この記事の筆者はSTAP細胞について「STAP現象」と「STAP幹細胞」と二つに分けることによりこの問題を整理して、その本質を的確に解説しています。前者が若手研究者が主力で行った研究であり、これはサイエンスそのものとなっています。一方、後者は科学と言うよりもよりエンジニアリングに近く、この手法が技術的に確立された場合、将来的にはパテントの問題と関係して来ると考えられます。科学では最初に発見したかどうかは、実はそれほど重要ではなく、どれだけ深く理解したかの方が遥かに大切な意味を持っています。しかし、技術開発の場合、どうしても金銭が絡んでくるため、先に誰が開発に成功したかという競争が重要になり、これが「純粋研究の困難さ」を惹き起こしています。

[付記5]　：　　２０１５年暮れの土曜日に卒業生・院生・その他９名の物理好きの人達と新小岩で「忘年議論会」を行いました。赤ワインを飲みながらそしてとろろ芋汁を食べながらの議論でしたが、あらかじめ予定したテーマは「宇宙方程式」というものでした。尤も、その議論会の制限時間は６時間だったため、残念ながらこの日は宇宙方程式の議論に行き着く事ができませんでした。その前に次々と議論するべき新しい課題が持ち上がり、結局、考えていたテーマの議論を集中的に行う前に時間となり、これは次回に先送りとなりました。今回は年齢においても２０歳代から５０歳代と幅広く、それぞれの意見が異なり衝突する場合が当然出てきていましたが、しかし物理を正確に理解すると言う点ではぶれる事はありませんでした。
議論の途中で、Z0-->２γ崩壊の計算をした若者に対して「その計算は大変だったでしょうね」と言う一種のねぎらいと我慢強さに対する賞賛の声が上がりました。それに対して本人は「そうですね、半年くらい、半分泣きべそをかきながら、電車の中でも計算を続けていましたね」と言ったため、大笑いになりました。この仕事が歴史的に言っても非常に重大な仕事であることは明らかですが、それが何故、高い評価がされていないのかが問題になりました。しかしこれは既得権者との戦いを知っている古手はすぐさまその実情を理解していました。真に新しい考え方の場合、それを人々に認めてもらうことが如何に大変であるかは、参加者それぞれが深く感じるところがあるように見られました。
この問題と関連した事ですが、私の親友が「新しい重力理論の賛同者を増やすことが必要・急務である」と強調しています。実際、彼はその運動を独自にしてくれていますが、この件に関してここでも議論の対象になりました。この問題に対して最初に上がった意見としては「正しい理論を提案した後は、それを理解する努力をするべきなのは専門家達である」と言うものでした。これは全くその通りであると思います。しかし一方において、古い理論を信じている既得権者(専門家)はその権益を守るために、新しい理論が人々に受け入れられないよう、様々な手段を講じていることは事実であり、それが現実です。　[昔話ですが、ある論文を日本の雑誌に投稿した時、２人の査読者はこの論文の発表を許可してくれました。ところが編集者が突然「この論文は南部氏の考え方と矛盾するので許可できない」と言ってきて論文の発表ができなかった事がありましたね。]
従って、賛同者を増やすためには、その方法論こそが重要であるという意見が出されました。特に「ニュートラルで物理はわかっているがその専門家ではない人達を取り込むべきである」と言う意見が出ましたが、これは確かにその通りだと思いました。つまり、その分野の専門家ではないが、しかし物理は正確に理解している人達を何とか説得して理論を理解してもらい、賛同者になってもらう必要があると言う事だと思います。私自身はこれまで２冊の本を出版して、そこで重力理論の解説は充分してあり、社会的責任はそれなりに果たしていると考えてきました。このため、この問題に関してはこれまで「高みの見物」を決め込んでいました。しかしながら、この議論を通して、これまでの受動的な考え方を少し修正する必要があるかも知れないと思い始めています。今後どうするかは、今現在、思案中ですが・・・・・・。

[付記6]　：　　２０１６年５月後半に私的な用事で６日間、プラハとハイデルベルグに滞在しました。最初の３日間に訪れたプラハは自分に取っては初めての街でした。プラハには非常に美しいお城が山の頂にあり、また古い街並みはなかなかの風情があって散策には最高の場所でした。この街には活気もあり、今や欧州の観光の中心地でもあるという評判には確かに納得しました。またこの国の通貨がユーロではなく、Koruna という独自の通貨を使用していることには吃驚しました。今回、ガイドをして頂いたＳさんは非常に高い教養があり、また知的で清楚な美しさをもつ日本女性であったことも、このプラハの印象がより良いものとなった一因であるとも思っています。
旅の後半に訪れたハイデルベルグには数年間、研究者として滞在していたのですが、今回のように旅行者としてきたのは初めてで、それなりの新鮮さがありました。しかしメインは２人の高名な老教授との議論でした。この２人に「一般相対論が弱重力の極限で重力理論と関係している」というアインシュタインの主張が間違いであることを示しました。これは誰でもわかる簡単なことですが、アインシュタインが仮定した g00 =1+2φという式と関係しています。この式のお蔭で一般相対論が重力のポアソン方程式を導出できるのですが、この計量テンソルが重力場φで書けていると言う式が物理的に無意味な式なのです。それは明らかで 1 は数字ですがφは力学変数であり、数字に力学変数を足し算することはできません。これはカテゴリーの異なる二つの量を足し算することに対応していて、例えば、２とか５とかいう数字に飛行機の速度９００ km/h を足し算しようとしてもそれは不可能なことです。この事がわかった瞬間、老教授達は絶句してしまい、その後はそこでこの議論は打ち切りとしました。
この２人に、私は退職したら共同研究者が増えたと話したら、さらに驚いていました。２０１６年になって、月に１回のペースで議論会を持っていますが、現在は数人の若手研究者と議論を重ねています。最近、新しく参加し始めたD3の若者には、その物理の理解に対する鋭さと計算パワーにはこちらがあきれてしまう程に凄いものです。自分に取っては、この若者たちが今後、何処までも成長して行くことのみが最も重要な関心事ですが、しかしこの物理マニアの若者たちには精神的な強さと溢れるばかりの情熱があり、彼らが勝手に成長して行くことも間違いないことですね。
この共同研究に対して、１人の老教授から「研究の Fund はどうしているのか？」と問われて絶句しました。確かに私には研究費はまったくなく、彼らも全て自費で議論に参加しています。この問題は自分には考えてもみない事でした。そのためこの質問に対する回答は見つかっていません。科研費をとれればよいのですが、科研費審査をする教授達の大半は過去の流行模型に乗って職を取った者たちなので、非常に困難です。あるいは私的なFundを立ち上げて、寄金によってFundを運営すると言う事も解の一つかも知れません。そのFundにより、何とか若手の研究とその活動をサポートしたいものです。しかしながら、Fund運営というような事は自分にはとても無理なので、どうすればよいのか思案中です・・・・・

[付記７]　：　　２０１６年９月、CERNはようやく「新しい粒子は発見されなかった」ことを発表しました。数か月前に「Higgs 粒子よりも重い粒子があるかも知れない」という「情報」をCERNは流しました。それに対して、今回の発表はどのエネルギー領域においても何も見つからなかったと言う報告です。しかしそれよりも重要な事を彼らは正しくは発表していません。すなわち、４年前に発見したという Higgs 粒子ピークの再検証実験の結果報告です。そもそもCERNの加速器をアップグレードしたのは、その再検証実験のためです。今回、新粒子の方に話を持って行きましたが、再検証実験の方が優先して行われました。しかしこの結果についてはポジティブなデータが何も出なかったため発表していません。実際には「Higgs 粒子発見のデータ」は統計を上げたら消えてしまったと言うことです。CERNは結局、新粒子の方に関心を持って行き、それもやはり駄目だったと言う結果を今回発表したわけです。
しかし膨大な予算を使っている責任は重く、だからこそ真実を正確に伝えるのはCERNの科学者の責務です。しかし問題なのはこれからです。まだ、彼らは何か新しいものを捜そうとするものと思われます。しかしこれを続けると膨大な科学予算を使い続ける事になります。それではCERNは今後、何十年も同様な加速器実験を続けるつもりなのでしょうか？その場合、他の分野の研究費を強奪することになる恐れがあります。何とかしなければいけないのですが、すべて多数決で民主的に行われているため、我々にはどうしようもない無力感のみが残ります。マスメディアの科学担当者(物理学)に少しでも見識のある人がいれば、あるいは変わるかもしれませんが・・・・・

新しい学期が始まりましたが、大学の授業が１５週をきちんと守らなければならないという愚かな通達は一向に改善されていません。逆に現状は悪化しているようにさえ見えます。確かに、大学の先生のうちでもかなり多数の人達にとっては、年間６週間の余分な講義は別に大した労力ではないとは思います。彼らは研究をほとんどしていないし、授業準備も最小限しかしないため、時間的余裕は十分あり、外で非常勤講師さえしています。また恐ろしい程にできない教授は講義ノートを黒板に写すだけなので特別な努力は不要です。しかしながら一部の有能な教授陣に取っては、この６週間の余分な授業は大変な労働であると思われます。現実にはこの一握りの有能な研究者が講義の傍ら時間を見つけて、膨大な努力をしながら研究を続けています。１５週の授業はこの有能な研究者の研究時間を奪っていて彼らを潰しかねません。
さらに重要な事として、６週間の余分な授業が学生の教育にプラスになることなど勿論、あり得ません。この通達を出したのが官僚なのか何とか委員会の無能教授なのかそれはわかりませんが、これを出した連中は自分自身が大学時代、どの程度きちんと理解できていたかを考えてみるべきです。講義時間が多くても理解が深まる事などあり得ない事は自分自身を振り返って考えてみれば明らかでしょう。さらに言えば、学生は授業に追われてじっくり考える余裕をなくし、考える力を失う恐れさえあります。早急に元に戻さないと、大学教育の混乱はいずれ収拾がつかない事態に発展する恐れがあります。昔、小学生に対して「ゆとり教育」を行って教育界に混乱を起こした歴史がありますが、これはその真逆のバージョンですね。

[付記８]☆　　釣り日記　２０１６年１０月　　：　このところ毎月２回を目標にシロギス釣りに出かけています。海のただ中でぼんやりと釣りをするのは本当に楽しく、気分が和らぐものです。長い間、「昔の物理の秀才達が計算を間違えているはずがない」と言うもっともらしい理由により、新しく提案した場の理論形式が悉く無視され続けてきたものです。しかし実際には物理音痴の物理屋が多数決の論理を振りかざして、自分達が学んできた理論を単純にそのまま信じていたいと言うだけのものでした。研究者の中には「物理の音程」が少しずれている人が意外に多いものですが、それは物理の「絶対音階」を正確に知らないからです。勿論、物理の絶対音階は自然現象そのものです。実は、物理音痴の人々で本当に悪質なのは既得権者達です。彼らはその権益を守るためにはどんなことでも平気でして来ましたが、それに関しての嫌がらせが絶えることはありません。その意味においても、海上でのんびりと釣をすることは最高の気分転換となっています。
ところが、この夏はどういうわけかシロギスが昨年と比べるとまるで釣れなくて意気消沈していました。どうも今年はシロギスが少し深場に行っているような感じがしていました。それで、先日(９月終わり)、再挑戦と言う事で、木更津の沖堤防に釣りに行きました。ところが朝６時に渡船しようとしたらこの日はもの凄い霧で、すぐ近くの橋さえも見えませんでした。このため宮川さん(船頭)はしばらくは船を出せないと言って店に帰ってしまいました。仕方なくぼんやり海を眺めて待っていたら、それでもしばらく経ってやっと霧が晴れ始めて、約３０分遅れの渡船となりました。その日は宮川さんが「ここで釣ってみてください」と言われたので、その場所でシロギス釣を始めました。１投目は陸側に投げたところいきなりアタリが来て１５ｃｍのハゼが掛かりました。しかし２、３投目もハゼとメゴチだったので、次からは海側に投げました。しかしこちらの方もシロギスはたまに釣れる程度で、やはりハゼやメゴチさらにはアジまでかかる始末でした。
８時半ごろになり、黒鯛釣りの人が話しかけてきて「黒鯛、持っていきます？」と言われて思わず「じゃ１匹だけ」と答えました。ところがその人には仲間が２人いて彼らが黒鯛を３匹持ってきたため、これには困り果てました。巨大な魚(４０－４５ｃｍ)でシロギスとはまるで違って威圧感さえあります。しかし断る事もできなく、そのまま有りがたく受け取りました。この人達は釣りあげる事のみが楽しみで、それはスポーツフィッシングなのだと感じました。こちらはキスの天ぷらが釣りの最大目標なのですが、釣りの方向がかなり異なっていることは確かだと思いました。
その黒鯛釣りの名手が「シロギスは陸側にもいるはずだ」と言ってくれたため、自分もそれではと朝方釣った場所より５０ｍほど東側に移動した陸側で投げました。これがまさに大正解でした。１００ｍ前後の投擲で１８ｃｍクラスのシロギスがすぐに釣れました。そして同じ場所で次々とシロギスが掛かり始めました。結局、９時半ごろから昼ごろまでに２７匹のシロギスを釣る事が出来て大満足でした。特に、このレベルの大きさのシロギスが２匹つくとこれは最高の引きとなっていました。夏の終わりにやっと去年並みの釣果が得られて本当に嬉しいものです。シロギス以外には２７ｃｍのギマが２匹釣れました。この魚はカワハギの一種のようですが、実際、ギマの刺身をあらいで食べたところ最高の味でした。それにしても「シロギス釣は場所に依る」とよく言われていますが、実際、この事をあらためて感じた次第です。

[付記９]☆　　釣り日記　２０１６年１１月　　：　　ここでも何回か書いていますが、Higgs 粒子探索はすでに始めてから３０年以上は過ぎています。しかしこの実験を行っているCERNの実験家には、自然科学を理解する上で重大な見誤りがあります。それは弱い相互作用に関するすべての実験結果はHiggs 粒子の存在なしで理解されている事実です。これは周知の事実です。すなわち、実験結果を再現するためには、標準理論でHiggs 粒子を除いても全く問題ないことがわかっています。それでは何故、Higgs 粒子探索実験を行っているのでしょうか？実は、それは単に理論が予言したからです。そしてこれは一般相対論の場合と同じですね。しかし何度も繰り返し書く事になりますが、標準理論は非可換ゲージ理論であり、厳密に解いたらその構成粒子である W,Z ボソンは観測量ではありません。Weinberg-Salam はここでHiggs 機構という近似を行ったため、勝手に「ゲージ不変性が破れてこれらのベクトルボソンが観測量になった」と言っている事に対応しています。しかしこれはどう見ても科学の論理ではありませんね。
この夏に発表(１０月に改訂)されたCERNの報告書を見る限り、Higgs 粒子に対応するピークに関して、有意な実験結果は得られていません。実験が非常に難しい事は確かな事ですが、しかしW,Z ボソンのピークは複数個見つかっているようです。Higgs 粒子に関してもこれらのベクトルボソンと同じ程度に見つからない限り、Higgs 粒子発見とは到底、言えない事は誰にでもわかっています。その意味で、今回アップグレードしたCERNの実験では「Higgs 粒子のピークが存在しない事が示された」と言えるものと思われます。

１１月はじめに、内房の港にシロギス釣に行きました。１０時前から竿を出したのですが、A港では港の中も船道も外海も全く魚の反応がなくて３０分で切り上げました。それでB港に移動して、１１時から釣り始めました。外海の方には人がいたので、港のなかで竿を出しました。そして家内の竿に仕掛けをつけて投げて渡した所、自分の仕掛けを作る前に「来た！」と言ったので吃驚しました。今日はシロギスは釣れないかも知れないと思っていたのに、家内は１８ｃｍのシロギスを釣り上げる事が出来ました。それから急いで自分も竿を入れましたが、ほとんど入れ食いの状態がしばらく続きました。結局、午後２時半まで釣ってシロギス(15 cm - 19.5 cm) が１７匹、ピンギスが１３匹、マゴチ(16 cm) が１匹、メゴチが７匹、それとヒイラギが６匹でした。家内もひどく喜んで実に楽しい釣りとなり、吃驚でした。こういう事もあるものですね。ちなみにB港の外海も船道も３－４回の投擲に魚の反応はゼロでした。シロギスが釣れたのは港の中のほんの一部の場所だけでした。シロキス釣の奥の深さですね。なお、釣師はよく釣れた時の事のみを他人に話したがる癖があるため、今回のような偶々うまく行った釣行のお話しとなっています。

[付記１０]☆　　釣り日記　２０１６年１１月　　：　再び、シロギス釣りの話です。この日、朝６時に渡船して木更津の沖堤防にシロギス釣りに行きました。その日は海上でも風がなく絶好の釣り日和でした。６時半頃にはまずはアイナメ狙いの仕掛けの竿を出しました。尤もこの日はアイナメの姿を見ることはできませんでしたが。続いてシロギス用の竿で８０ｍ程投擲しました。ほとんど即座にシロギス特有の引きがきて１８ｃｍクラスのシロギスが釣れました。このポイントでは投げて２０ｍほど差引く毎に必ず１匹シロギスがついていました。これがしばらく続き、今日は良く釣れる日なのだと直感しました。しかしこれは単発的で群れのキスではないとも感じていました。
満潮を過ぎて潮が下がり始めた頃から３０－５０ｍの近場でも釣れ始めました。今度の場合は群れの感じで、入れ食い状態が続きました。但し、釣れる場所はピンポイントで、しかも少しずつ変わっていきました。結局、６時半から１２時半までで良型のシロギスを５４匹釣り上げました。但し、１０㎝前後のシロキスが１０匹ほど混じってはいました。自分としては初めて２２㎝のシロキスが２匹釣れて嬉しい限りです。それで今、「地ギス」とでもいうべきタイプのシロギスがいるのではないかと考えています。つまり、そこに定常的に住んでいるシロギスがいて、しかしある場合、群れをなして行動しているのではないかと言う事です。これから少しずつ、この辺のところも調べたいと考えています。

それから２日後、「議論会」に５名の若手研究者が集まり「鳥は何故、方角がわかるか」という問題を議論しました。１０羽の鳩を札幌から放つと７、８割は千葉の自分の巣箱に帰ってくるという友人の話を説明しました。どうも鳩達は海岸沿いを飛んで帰ってくるようですが、しかし確実に南と西という方角がわかっていると考えられます。南北は太陽と地磁気で、東西は太陽とコリオリ力によるポテンシャルが関係している可能性があると思われます。しかし量子論ではポテンシャルはスカラー量であるため、方向を知るためには別の物理量が必要となります。最近の研究から、あるタンパク質の中にある物質がフォトンを吸って励起状態になることが方向を特定するために重要であることが判明したようです。実際、光を遮断した場合、鳥は方向がわからなくなる可能性があるようです。
ところが現実には、ある種の渡り鳥は夜を好んで飛ぶことがわかっています。これは夜の方が天敵に襲われる可能性が少ないことと関係していると考えられています。それではこの渡り鳥たちはどのようにして方角を感知しているのでしょうか？夜には月の光がありますが、ある種の鳥にとって、あるいは月の光でも十分かも知れません。光の吸収は波長で決まり、その強度にはよらないからです。しかしこれは月がまったくないときにこの渡り鳥が飛んでいるかどうかを調べればわかることですね。
今後、これらの研究を遂行して行くためには、超低エネルギーの量子論を正確にそして深く理解することが重要な要素となるものと思われます。研究対象である自然現象はほとんど無限にありますが、量子生物としての具体的な研究成果を見るにはまだまだ時間がかかるものと思っています。

[付記１１]☆　　釣り日記　２０１６年暮れ　　：　今年も残りわずかとなっていますが、また再びシロギス釣りの話です。この寒い中、シロギス釣りのため木更津沖堤防に行きました。この日はNo.1の札だったため渡船するのは自分一人かと思いました。堤防に人はまばらでしたが、早速、釣りの準備をしました。例によってアイナメ用の仕掛けを先に作り陸側の海に入れました。そしてシロギス用の仕掛けを作り始めました。ところが、ちらっと見たところ、アイナメ用の竿がひどく揺れていて明らかに魚がかかっている事を示していました。慎重にあげたところ２５ｃｍのアイナメが釣れて吃驚でした。一方、シロギス釣りの方は、海水温が低いためか難しい釣りとなりました。突然、２匹釣れたかと思うとその後はさっぱりアタリがないという状況が続きました。それで場所を１００ｍほど移動して釣りを再開しました。ここでも最初、３匹掛ってこれはすごいと思ったのですが、その後はさっぱり。結局、この日は７時半から１２時半まで釣ってシロギス２３匹でした。しかし、場所を移動した直後にやはり２５ｃｍのアイナメが釣れて、アイナメ２匹は自分にとって最高の釣果でした。その夜、早速さばいて食べましたが、アイナメの刺身はどの魚もかなわない程、美味しいものですね。アイナメはアブラメとも言われるように脂がのっている魚ですが、しかしトロのようなくどさがなく非常に上品な味です。

[付記１２]☆　　釣り日記　２０１７年４月半ば　　：　最近、CERNの一部の人々からヒッグス粒子は発見できなかったと言う情報が寄せられています。しかしCERNがこれを公式に発表するとは、まだとても考えられないことです。それはこの実験のリーダー達のこれまでの振る舞いを見てみれば明らかです。彼らはたった１個のデータでヒッグス粒子を発見したと騒ぐ人達です。彼らがまともな物理屋であるとは到底、考えられません。その虎の子のデータさえも散々、人々から批判されてきました。しかしこの批判に対して彼らは一向に動じるわけでもなく、反論もしないで平然と無視し続けてきました。それでも、この数年間、膨大な予算を注ぎ込んでマシーンをアップグレードしました。そしてその改善された新しい加速器ではより発見されやすい状況が確かに作り出されました。実際、その新しい実験では W, Z ボソンを示すデータが複数個見つかっています。このため、ヒッグス粒子も複数個見つかることが期待されたのですが、しかし結果としてヒッグス粒子は何も発見されませんでした。それにしても理論的に言って、存在するはずのない粒子を探している愚かさは現代物理の悲劇(または喜劇)です。しかしながら、何分にも怖ろしいほどの予算を費やしているわけで、黙って見過して良いとは言えないことも確かであり、これが問題をさらに深刻にしています。
ヒッグス粒子の方は人為的に引き起こされた問題ですが、東京湾の海水温が春に上昇するのは自然現象そのものです。シロギスは海水温が１２度以下ではほとんど釣れません。シロギスが釣れるためにはその海水温が１４度以上になっている必要があります。そして、この４月半ばにやっと木更津港の海水温が１４度を超えてくれました。それで早速、木更津の沖堤防にシロギス釣りに出かけました。この日、朝６時に渡船した頃は無風状態で釣りにはベストの状態でした。ところが昼前から突然、強風になり沖堤防だと少し怖いほどの風になってしまいました。海上での天候の急変には今更ながら驚いた次第です。このため、１１時半から午後１時の渡船までは釣りとしてはまったくのお手上げ状態となりました。
この日、特に午前８時前後は、７０－８０ｍ付近でシロギスがよく掛かりました。しかし釣れるのはいつもシロギス１匹で、２連、３連が少なかったため、数は伸びませんでした。シロギスに一緒に掛かったのは小さな小さなメゴチでした。今年はこのメゴチが非常に多いと言う印象を受けています。しかしともかく、一投毎に１匹は掛かることが多くて、１１時までに２９匹のシロギスを釣ることができました。これはこの時期の釣果としてはまずまずであったと思っています。
久々にシロギスの天ぷらを食べましたが、いつもながら本当に美味しいものです。これは魚屋で捌いて売っているシロギスとは別次元のものです。天ぷらでは捌いてすぐに揚げないと味は別物になってしまいます。尤も、最近、シロギスを冷凍しても、それを上手に処理すると釣った日のシロギスとほとんど差がないことがわかっています。それは釣って家に帰って最初にする仕事になります。まず、冷凍するシロギスのハラワタだけを出します。そしてそのシロギスの水分をできるだけきれいに拭き取ります。そしてそのシロギスを急冷凍します。こうして保存したシロギスを３週間たって解凍した場合、その味はその日に釣ってきたシロギスとほとんど差はなく、余程慣れている人でも、恐らくは見分けがつかないものと思われます。但し、解凍するときも技術が必要です。

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