『量力演習書の解説と解答(手書き)』 [2024年4月]
これは量子力学の演習書を解説した小ノートです。物理の実力をつけるためには演習問題を解いて行く事が必須です。それで、これまで電磁気学と古典力学の演習問題に関してはその解答とともにホームページに載せてあります。しかしながら量子力学に関しては教科書を書く事に少しためらいがあったため、書いてはいませんでした。それはこれまで長い間、基本的に古典力学から発展的に量子力学を導入して、それを解説して行く方式が主流であった事と関係しています。しかしこれは物理学の理論体系からしたら整合性がないのは明らかですね。古典力学は量子力学を近似して始めて得られるからです。このため、これまで量子力学の問題や演習の解答をホームページに載せる事はしていませんでした。
今回、初めて『量子力学の演習書を解説する』と言う小ノートを書く事に思い至りました。それは長い間、量子力学演習の授業を行ってきたわけですが、この時、その授業の開始とともに必ず、その日の演習問題とそれに関連した様々な問題について30分程、解説したものでした。その後に問題を解いてもらい、そして量子力学について理解を深めると言う形の授業を行っていました。それで、この小ノートでは NO.1 から NO.12 までの演習問題についてそれぞれの章ごとに関連する物理の解説を行っています。但し、それぞれの問題は各自が解くため、問題自体の解説はそれ程、多くは入れてありません。その代わり、問題の解答は付録に入れてありますので参考にして頂ければと思います。
『物理を深く理解するためにはまずは演習問題を解く事である』と以前から機会あるごとに言ってきましたが、しかしながら演習問題を自分一人で解き切ることはそう簡単な事ではなく、易しいとはとても言えません。少なくとも自分に取ってはそうでした。それで、ここでは量子力学の演習問題を解く上において注意するべき様々なポイントを解説して行こうと思って、この小ノートを書いた次第です。特に、この演習問題を独力で解こうと努力している学部生・院生そして若手研究者諸君に少しでもプラスになれば良いかなと思っています。但し幾つかの章において、少しマニアックな解説を書き入れてあります。これは学部生諸君にはあるいは難し過ぎる可能性はあるかと思います。しかし何時か大人(?)になったら、そのような解説を楽しむことができるものと考えています。
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