緊急提言! : 大学院授業料(国公立)の無料化 (2020年2月)
☆ 「大学院授業料(国公立)の無料化」 : 大学院への進学率減少に歯止めが掛かっていない問題が報告されてから、時間だけが過ぎて行きます。若者が大学院への進学を希望しなくなっている理由には色々あるとは思いますが、しかしまずはできる事から一つ一つ状況を改善して行く事が大切です。
☆ それでは、まず何ができるのでしょうか?その内の一つに国公立大学の大学院授業料を無料にすることがあります。これはそれ程、大げさに問題になるような予算額ではありません。そもそも大学院生から授業料を取ること自体がおかしなことなのです。この授業料無料化は直ちに行うべきことで、躊躇している時間はありません。
☆ 学生に大学院進学を躊躇させている理由の一つに大学の(一部の)研究室が「ブラック」になっていると言う事が確かにあると思います。これはこれで非常に深刻な問題ですが、しかしこれを早急に改善することは不可能です。それは現在の大学教員(一部の研究者)の研究・教育レベルの低落と密接に関係しているものと考えられているからです。その意味で、まずは院生の経済的負担の軽減から始める事が最も重要であると考えられます。
☆ 資源の少ない日本が世界で生き延びて行く唯一の方法が「教育」であることは昔から変わっているわけではありません。しかし近年、何かある種の人々の間に「驕り」があるように見受けられます。これは日本の技術力に関する「根拠のない自信」と関係しているものと思われます。一般的に言って、科学における最先端の研究レベルが低下した場合、いずれそれに関連した応用分野における技術力のレベル低下は避けられないものと考えられています。今後、日本がどうなるか、予断を許さない状況になって行くものと思われます。
☆ ちなみに、自分が客員教授として研究留学していた当時(1990年前後)のドイツにおいては、博士課程の大学院生に一定額の給料が支給されていました。但しこの時、例えばハイデルベルグ大学における院生の場合、演習のクラスを担当することが義務の一つでした。しかしこれは院生にとっても常にプラスになることです。研究だけではなく、教える事は院生に取って自分の実力を伸ばして行く上で非常に重要です。当然ですが、教える事によって逆に学ぶことが多いのは学問の世界に限らず、どの職業でも同じことです。
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