卒業生の皆様へ : 植木日記
[植木日記 2] 2021年5月半ば : ヒヨドリと口笛
☆ 『イヌホウズキ』の実 :
昨年の夏ごろから突然、イヌホウズキが大きく育ち始めて、秋にはこれに実が成りましたが、このお話は前回、ここに書きました。ところが1月の終わりごろから、このイヌホウズキにまた花が咲き始めてこれには吃驚でした。背丈が伸び過ぎたので切ろうと思っていたのですが、これでは切れなくなってしまいました。それでどうなるのか観察していた所、3月には実を付け始めました。これはどういう事なのでしょうか?この雑草は年2回、実を付けると言う事なのでしょうか?現実にまた100個以上の実が成り、先日来、ヒヨドリがその実を食べに来ています。
☆ クンシラン :
2月の終わり頃から9個のクンシラン全ての鉢に花芽が出来て、見事な花が咲きました。今年はひとつの株から2個の花が咲いた鉢が3個あり、これには吃驚でした。しかし1個の花しか咲かなかった鉢では、その花が大きく、そして長く伸びて見事なものになりました。5月に入ってさすがにクンシランの花も終わりになりましたが、花瓶に生けた花はしばらく咲いていました。
☆ 桑の実 :
桑の木に沢山の実が成っています。現在、2年前に挿し木で増えた木を加えると3本の木があり、それぞれに実が成っています。桑は花が咲かないで実が直接なるように見えます。この所、毎日20個程度の実を収穫しています。昨日はその桑の実をヒヨドリが食べに来ました。その時、家内がそれを見ていてヒヨドリがゴミを咥えたのではないかと心配しました。そこにゴミはなかったはずですが、自分も一瞬、ゴミかも知れないと思い、ベランダに出ました。それでベランダの柵にとまっていたヒヨドリに話しかけました。『ヒヨちゃん、それゴミじゃない?』ヒヨドリとの距離は2m。しかしヒヨドリは悠然としてくちばしに咥えたものをしきりに飲み込もうとしていました。そしてその内にうまく飲み込めたようでしたが、これはやはり桑の実でした。食べた直後に飛び去って行きましたが、桑の実は柔らかいのであるいは飲み込みにくかったのかも知れません。
☆ ブルーベリー :
今年は3本のブルーベリーの木に沢山の花(数百個)が咲きました。そして現在、2割程度の花に実がついています。まだ青い実ですがいずれブルーになって行くのでしょう。一方、2年前に挿し木したブルーベリーの木はまだ小さいのですが、花が20個ほど咲きました。そして今の所、少なくとも1個は実が成っています。しかしこれは他のブルーベリーから少し離れているし、蜂が来た様子もあまりなく、実になるのは難しいのでしょうね。いずれにしても、今年もブルーベリーはヒヨドリに食べられてしまうものと思います。
☆ レモンの木 :
レモンの木についた花は100個を超えていました。このうち、どれだけ実がつくかわかりませんが、レモンの花は白い可憐な花ですね。現在、少しずつ、花が実になっていますが幾つ実になるかこれも楽しみです。今年は夏みかんの木に花は咲きませんでした。ひとつには鉢替えした時期が少し遅すぎた可能性があるものと思います。しかし今度は大きな鉢になったので、来年には花が咲く事を期待したいと思っています。
☆ 山椒の木 :
現在、3本の山椒の木があります。そのうち2個は3年前と2年前の挿し木でできたものです。そしてその元の木はすでに20年近く経っています。これまでこの山椒の木は実が成らない木であろうと思っていました。ところが今年突然、山椒の木に花が咲きました。つまりはこの木は実をならす木であったと言う事です。ものの本によると山椒の木には実が成るのとならないのがあると言う話でしたが、これは実が成る木のようです。20年近く経ってようやく実が成ると言う事でしょうか。
☆ ヒヨドリと口笛 (1) :
この所、毎日のようにヒヨドリが北側のベランダにやってきてお話をして行きます。5月半ばのある日、午前中に3回、午後に2回、ヒヨドリがやってきました。それで午後最初にやってきた時、自分は鶯の鳴き声を真似た口笛をしてみました。そうしたら、何とヒヨドリがその口笛の真似をしました。勿論、その真似の正確さはインコのようには行きませんが、それは別にして、明らかに真似をしているように見えたのです。これには吃驚でした。このやり取りは10分以上、続いていましたが、本当にこのヒヨドリとは少しだけとは言え仲良しになった気がしています。午後遅く、再びヒヨドリが北側のベランダに来ましたが、これは鳴き声から何時ものヒヨドリではありませんでした。
☆ ヒヨドリと口笛 (2) :
それから数日後、ワクチン接種に出かけようとした直前、ヒヨドリがやってきました。これは何時ものヒヨちゃんです。少しずつ、その鳴き声とその鳴き方で個体識別ができ始めています。早速、鶯の鳴き声で話しかけたところ、それまでの鳴き声を変えて、鶯の鳴き声に真似て答えてきました。驚くべき事ですね。しかしワクチン接種に行く時間だったので、やむなくヒヨちゃんとのお話を切り上げました。その日の午後、またヒヨドリが北側のベランダにやってきましたが、これは何時ものヒヨドリではありまでんでした。鳴き声が違いました。
☆ 口笛とメジロ :
そう言えば口笛の事ですが、口笛は昔、メジロを捕獲しようとした時に、口笛で呼んだものです。今は野鳥を捕獲する事は禁止されていますが、自分が小学生の頃はメジロを鳥もちで捕獲する事が相当、流行っていました。今となっては可哀想な気がしますが、しかしそれだけメジロとの距離が近かったものと思っています。鳥もちで捕獲したメジロを風呂敷で覆った鳥かごに移して、少なくとも1日はそのままにして置くと言うのが決まりでした。夕方そっと風呂敷を取り除いて、餌を上げるのですが、その時、メジロが暴れないように工夫する必要がありました。メジロは良くさえずりをしていましたが、これはどう見ても独り言のように見えました。その時に他のメジロが鳴くとさえずりをやめて即座に『チー、チー』と鳴き返していたものです。
[植木日記 1] 2020年11月 : 『金のなる木』の花芽
☆ 夏みかんの花 :
10年ほど前に浜松の家から實生の夏みかんの小さな苗(20㎝くらい)を持ってきました。現在は南のベランダの天井に届くほどの大きさに成長しています。そして今年の春、初めて可憐な白い花を付けました。10個ほどの花でしたが、残念ながら夏みかんの実にはなりませんでした。鉢植えだと難しいのかも知れませんね。一方、今年もレモンの花は沢山、咲きました。その内、レモンの実になったのは8個でした。昨年、20個近くの実ができたので今年は少ない年だったのでしょう。その代り、それぞれのレモンの実が巨大なものになっています。すでに3個は食べていますが、非常に美味しいものですね。
☆ アジサイの挿し木 :
4月半ば、強風で東のベランダのアジサイの枝が幾つか折れてしまいました。それでその内の2個を挿し木しておきました。1か月後にはその小さな茎(3㎝ほどのほとんど葉っぱだけ)のアジサイに新しい芽が出て、挿し木がついたことが分かりました。そして9月半ば、驚いたことにこの小さな挿し木の一つに花芽が付きました。普通、アジサイは花を初夏につけていますが、この茎はもともと花芽があったものなのでしょう。それからすぐにきれいな白い花が咲いて秋のアジサイの花を堪能しました。さらに驚いたことに、この花は11月半ばまで花が萎れる事もなく、白く可憐な花が咲き続けました。実は今もまだ花として生き続けていますが、植物は凄いものですね。
☆ ブルーベリーとヒヨドリ :
この夏は、ブルーベリーに沢山の実がなりました。一つの木に100個近くの実がなったのですが、これはほとんど、ヒヨドリに食べられています。と言うか、正確に言うと自分達はブルーベリーは買って食べる事にして、ベランダのブルーベリーの実はヒヨドリに食べてもらう事にしたのです。9月のある日の午後、植木に水遣りをしている時にヒヨドリがブルーベリーを食べに来ました。仕方がないので水遣りを中止して、そこに立ち止まってじっとしていました。ヒヨドリはこちらを気にすることもなく悠然とブルーベリーの実を食べていました。しかしすでにかなり少なくなっていたため、誤って夏みかんの木に突っ込んで行き、そしてあわててまたそこから出てきてベランダの上にとまりました。そして今度はすぐにどこかに飛んで行ってしまいました。ヒヨドリとの距離は3-4mかと思いますが、この間、時間は3分か4分くらいでしょうか。
☆ イヌホウズキの実 :
この夏に東のベランダのどんぐりの木の鉢に突然、イヌホウズキが成長し始めました。これは調べたところ雑草である事が分かりましたが、濃い青い実がなると書いてあったのでそのままにしておきました。あっという間に1m50㎝くらいに成長して、そのうちに白い花が咲いて沢山の緑の実がなりました。そして10月の終わりには50個ほどの実が濃い青色になっていました。ある日、ヒヨドリが2羽やってきて、早速この実を食べ始めました。但し、ヒヨドリは一緒に食べる事はしません。一羽食べている間はもう一羽は待っていますね。これは2-3日ですっかり食べつくしたようです。しかし現在、30個程の小さな緑の実がなっているので、いずれこれが濃い青い実になった時には、またヒヨドリが食べにくるものと思います。その隣にはマンリョウとセンリョウの実が沢山、なっています。マンリョウは赤い実が30個ほど、センリョウは黄色い実が100個近く付いています。毎年、ヒヨドリがこの実を食べにきていますが、その食べごろは恐らくは暮から正月頃かと思われます。
☆ シンピジュームの花芽 :
10月半ばからシンピジュームの鉢に花芽が付き始めました。現在(11月末)、5個の鉢に10個程の花芽が付いて、少しずつ大きくなっています。1月には花が咲くものと思います。特に、緑の大きな花が咲くシンピジュームは毎年必ず花をつけてくれて、これも嬉しい限りですね。
☆ イヌ柘植の白い小さな花 :
11月初め、イヌ柘植に沢山の白い小さな花が咲き始めました。イヌ柘植は生垣に良くみられるものですが、東のベランダに数年前に自然と生えてきたものです。恐らくはこのイヌ柘植もヒヨドリが種を運んできて根付いたものと思われます。イヌ柘植の花はとても小さいのですが、しかし清楚で本当にかわいらしい白い花ですね。しかしまだイヌ柘植の実は見たことがありません。
☆ 『金のなる木』の花芽 :
11月半ば『金のなる木』に沢山の花芽が付きました。もう20年近く植木として北側のベランダに置いてあるものですが、花をつけるのは初めてですね。実は2年程前に植木の本に「『金のなる木』の花の咲かせ方」が書かれていました。それによると「7-8月の暑い時期に水を与えないで置くとうまく行けば9月には花が咲く」と解説されていました。その年、そのようにやってみたのですが全く効果はありませんでした。それで方針を変更して、逆に徹底して大量の水をあげる事にしたのです。この方が葉っぱが立派になるし植木にもきっとプラスになるであろうと確信したからです。そして今年、なんと大量の花芽が付いたのです。これは本当に嬉しい限りですね。
物理学の研究はこの上なく面白いし、また楽しいものです。それは自分が自然をしっかり理解する事に対応しているからですね。ところが、新しく理論模型を作った時に、これまで標準模型と考えられてきたものと矛盾が生じる場合がたまに出てきます。この場合、様々な検証を行いますが、結果的にこれまでの模型計算を否定せざるを得ない場合があります。この時、これは結構、大変な反発を食らう事になります。こちらはその様な戦いは全く望んではいないのですが、しかしその分野の専門家からしたら耐えられない場合があるのでしょうか。しかしこれは自然を正確に理解しようとする限り、どうしても避けられない事ですね。特に、一度その模型の提唱者が有名に(例えばノーベル賞を貰って)なってしまうと、その研究者は科学者としての基本的な原点姿勢を失ってしまう場合が良く見受けられます。そして、その後はその名前だけが一人歩きしてしまう事になるため、問題はますます深刻になってしまいます。
物理屋には様ざまなタイプが存在しています。例えば『新しいアイデアが次々と湧いてはくるが、その理解が浅いため自然界と結びつけることはできない』と言うタイプの物理屋が良く見受けられます。そしてこの人達が深刻な問題を引き起こします。その典型的な例がアインシュタインですね。彼の場合、どのように贔屓目に見ても『物理音痴』であるとしか考えられないものですが、しかし想像力は非常に豊かであったものと思われます。しかし物理を想像力で研究されたら、これはトンチンカンな方向に向かってしまう可能性が高いものです。それは物理が極めて難しい学問であり、深く理解するためには想像を絶する努力と時間が掛かってしまうからですね。
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