☆ 物理マニア諸氏へ : 一般相対論は重力と無関係 (2021年9月) 『付記 newly revised! 2023.12』
☆ 一般相対論の呪縛
現在、一部の物理マニア諸氏は今だに一般相対論の呪縛から解放されてはいないように見受けられます。普通に考えれば、座標系に対する方程式は物理学とは無関係であると言う事実は簡単にわかる事ですね。物理学は質点とその集合体の運動を扱う事は出来ますが、それ以外の事は物理学の対象外となっています。さらに、『空間が歪む』と言っても、これを測るのは光であり、真空中で光が変更を受けるとしたら、そこに何らかの相互作用が存在している事は物理学における必須条件です。実際、光と相互作用するものは電磁的な力だけである事は周知の事実であり、物質が存在しない真空中で光が曲がる事はありません。[ 相対性理論の解説 ]を参照。
しかしこのような馬鹿げたことを1世紀近く人々が信じてきたことは本当に、不幸で悲しい事でした。これは到底、科学とは言えなく、ほとんど『知的詐欺』とも言えるような事象でした。しかし、提唱者のアインシュタイン自身は『理論物理の職人』とは程遠い科学者であり、彼自身の想像力により理論の模型を作製しただけなので、詐欺師とは言えないと思われます。この場合、最大の不幸は彼がすでに有名になっていたため、一般相対論が重力と関係していると主張した事が一部の物理学者に受け入れられてしまった事です。さらに、実際はその後(1970年以降)が特に問題で、一般相対論関連で論文や本を書いて、その分野で仕事をしてきた人達は『自分達の解説や主張が理解できないとしたら、それは読み手側の問題である』と言う姿勢を持ち続けてきました。これは本人達が理解できていない事が原因なのですが、しかしこれは『嘘を平気で正当化してきた何処かの国の(仲良し?)元首達 (Trump, 安倍, etc.)』と似ている所がありますね。
深刻な問題は、若手・古手を問わず、この一般相対論の呪縛に捉われている物理マニア諸氏が現在も一定数存在していると言う事実です。そしてこの人達はかって自然現象における謎を解き明かしたいと言う夢があったはずですが、今はそれがほとんど失われたままとなっているものと思われます。しかしながらこの一般相対論の呪縛から抜け出せば、夢の話は全く別の展開となって行くものと考えられます。実際問題としては、この呪縛から解放されるためにするべき事は、それ程難しいものではありません。それは、どのような些細な事でも、それが自分の理解を超えていたら『正直にわからない』とする事に徹することです。要するに『わかった振りをしない』と言う単純作業を続けて行けば、いずれ呪縛から解放されると考えています。
昔、大学で物理学科に進学した時、周りの(秀才?)学生の中に『どんなに難解な事でもわからないとは言わない』輩が一定数いて非常に驚いたものです。自分に取って、こういう人種がいること自体が想像を絶するものでした。確かに、自分は極め付きの田舎者で、幼年時代に金網でドジョウをバケツ一杯捕まえて、それを町の料理屋が買ってくれた事が忘れられない喜びとして育った者です。その田舎者からすれば彼らの行動自体が複雑すぎてわからないものだとしみじみと思ったものです。しかし実際には彼らは『わかった振りをしていただけの輩』でした。
物理マニアとして『理解不能な事はわからないと言える姿勢』こそが最も大切な事ですね。例えば、量子コンピュータと言う言葉が現在、良く目につきますね。しかし量子力学を正確に理解している人からすれば、この量子コンピュータは思考実験の範囲を出ません。それは量子状態が観測量ではないからです。しかし大半のコンピュータ関連の人々は量子力学を理解していないので、この言葉を使うと『うまく売れる』と言う事だと思われます。この時、『何を言っているのかわからない』という態度をしっかりと取り続ける事が非常に大切であると考えています。
☆ 新しい重力場の理論
ここで、自分も物理マニアの一人として、まだ一般相対論の呪縛から解放されていない物理マニア諸氏に、一つ提言をしたいと思います。それは『重力場の理論』の理論模型 ( 新しい重力理論 ) を一から勉強し直して欲しいと言う事です。これはスカラー場なので、場の理論としては最も単純です。さらにループ計算がないので(場の量子化が不要)、計算もいたって簡単です。少しだけ面倒な計算が Foldy-Wouthuysen 変換です。これはユニタリー変換を実行して Dirac の Hamiltonian から非相対論の Hamiltonian を求める手法です。この計算チェックは物理学科の4年生で少し計算力のある学生ならば2−3か月頑張れば可能であろうと思っています。この Foldy-Wouthuysen 変換に関しては『Relativistic Quantum Mechanics (Bjorken-Drell)』の教科書の46ページから52ページまでかなり詳細に解説されています。
いずれにしても、自分で時間をかけて計算を実行すると必ず、理論物理の視界が大きく開けてくるものです。これは不思議に思われるかも知れませんが、事実です。
[付記] : 何故、一般相対論は無意味か? [2023年12月]
現在、一般相対論が何故,物理的には無意味な理論であるかと言う事が厳密に証明されています。これは Einstein 方程式は数学的に間違っていると言うわけではありませんが、しかし物理的には無意味な方程式であると言う事の証明です。小ノート 『 何故、一般相対論は無意味か? 』を参考にしていただければと思います。
結局、これまで現代物理学の最も重要な命題は『新しい重力理論が場の理論的に作ることができるか?』と言う事に集約されていました。これがあれば、もともと一般相対論は不要でした。新しい重力理論に関しては [教科書 Fundamental Problems in Quantum Field Theory (Bentham Publishers, 2013) ] を参考にして頂ければと思います。
一般相対論のような物理的に意味をなさない理論に多くの人々が振り回されてきた事実は取り返しがつかない程、重いものですね。しかしこれからは前を向いて行くしかありません。この場合、物理を学ぶ時に、実は哲学を学ぶ事も重要であると考えています。特に、研究において、どのような方向に進んで行くべきかと言う事を模索している時に、哲学的な思考法は重要な指標を与えてくれることがしばしばある事は間違いない事です。詳しい事はここでは触れませんが、最近出版された 『恣意性の哲学』(四方一偈著、扶桑社新書476) が少し参考になるかも知れません。この本は物理とは直接の関係はありませんが、私の最も親しい人が書いた本なのでここに挙げておきます。若手研究者は時間を見つけて是非、読んで頂きたいと思います。
[記:この哲学書の著者 (兄・圭一) は令和6年4月初めに他界]
[付記 S]:積み重なる努力 [2024年1月]
現代においても、才能ある若者がその才能をあまり発揮できていない場合がよく見られています。これは才能はあっても、実際には環境とか運とかタイミングがかみ合わなかったりして、その才能をうまく開花できていないと言うことですね。それではこの場合、その才能を発揮してさらに伸ばして行くためにどうしたらよいのでしょうか?恐らく最も重要な点は、他の人よりもより多くの『積み重なる努力』を続ける事であろうと考えられます。
それでは、その『積み重なる努力』とはどのようなものなのかが問題となりますね。物理学において、自分の実力をつけるために、物理の教科書(例えば電磁気学)を何回も読んでそれをほとんど覚えてしまうような、そう言う努力をしたとしましょう。ところが、この努力は大学において試験の点数を稼ぐには効果があるかも知れませんが、残念ながらこれは積み重なっては行かないものとなっています。教科書を覚える事をしても、これは物理の基礎トレーニングにはなっていないからですね。一方において、例えば電磁気学の演習問題を執拗に解きまくると言う事を実行して行くと、これは物理における積み重なる努力に対応しています。但し、これは途方もなく時間が掛かってしまうし、また非常にタフな作業となっています。従ってこの演習問題を解くと言う基礎トレーニングを効率よく行う必要があります。それは、人が持っている時間(人生)は有限であり、そのハードな作業を一定の時間内にやり遂げる必要があるからですね。従って、この作業を実行して自分の実力をある期間内に向上させる事ができるかどうかが重要なポイントとなっています。そして、これができるかどうかも一つの(別個な)才能と言えるものかも知れませんね。
[付記SS] : 理論物理の基礎トレーニング [2024年7月]
理論物理学の研究においてトップレベルの新しい研究を持続して行うためには『基礎物理学の演習問題を解く』と言う作業が重要となっています。例えば、電磁気学の演習問題を解き直してみるとかゲージ不変性について再検証すると言うような基本的な作業を普段から行っていない限り、高いレベルの研究を続けることは、まず不可能となっています。実際問題として、しばらく前に提案した『 試験問題 』を自分で解けない研究者が新しい研究を遂行できるはずがありません。理論物理学の新しい研究は常に基礎物理学を土台として、その上に成り立っているからですね。
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